遺言・相続対策を考えたい方へ

暦年贈与と相続時精算課税、どちらが得か

次のような場合は、遺言を残すことをお勧めします。

相続税対策として、生前贈与が活用されています。
そのうち、よく使われるのが暦年贈与と相続時精算課税です。
両者はよく使われますが、特定の人から特定の人への相続については、どちらかを選択しなければなりません。
果たして、どちらが得なのでしょうか。

例えば、財産が2億円で、相続人が子ども1人、3千万円を贈与するとします。

1.相続時精算課税の場合
 ※子どもにしかできません

累計で2500万円まで無税。
超えたら、20%の贈与税です。

1年目 1000万円 贈与税0(ゼロ)
2年目 1000万円 贈与税0(ゼロ)
3年目 1000万円 贈与税100万円 (超過分500万円×20%)

相続時 3000万円 相続財産に合算
           (納税した200万円は相続税から引いてもらえます)

相続税の課税対象額  2億円-3000万円+3000万円=2億円
           =贈与した時と変わらず

相続税の納付額    3800万円
           2億円-5000万円-1000万円=1億4000万円
           1億4000万円×40%-1700万円=3900万円
           3900万円-100万円=3800万円

相続税と贈与税の合計 3800万円+100万円=3900万円

税負担        贈与しなかった時と変わらない

 

2.暦年贈与の場合
 ※誰にでもできます

毎年300万円の贈与を10年間くり返すとします。
300万円-110万円=190万円
190万円×10%=19万円

10年間で、3000万円を贈与でき、贈与税の合計は190万円

相続税の課税対象額  2億円-3000万円=1億7000万円
           =3000万円減ります

相続税の納付額    2700万円
           1億7000万円-5000万円-1000万円
           =1億1000万円
           1億1000万円×40%-1700万円=2700万円

相続税と贈与税の合計 2700万円+190万円=2890万円

税負担        贈与しなかった時より1010万円少なくなった!

 

結論
資産のある人については、暦年贈与の方が減税効果は高いと言えます。
ただ、亡くなる3年前までの贈与は相続財産に戻して税を計算することになり、10年かける場合に13年後まで100%生きている保証はないので、その点はリスクがあります。
相続時精算課税は、贈与自体に節税効果はありません。
ただ、将来値上がりするのが確実な資産や、収益を生む資産、あるいは現在子どもが多額の利息を払っている場合、贈与のメリットが出てきます。

■暦年贈与の注意点

暦年贈与については、一括の贈与とみなされないよう、気をつけないといけません。
対策としては、以下のようなことが考えられます。

・毎年贈与契約書を交わす
・毎年きちんと振り込む、不動産の持分を少しずつ贈与登記する等の事実を残す
・毎年贈与税申告を行う
・金額や贈与の対象を変える

税理士とも綿密な事前相談が必要です。

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